約 940,618 件
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/919.html
ブラックのコーヒーが飲みたくなるようなすばらしき甘々画が投下されているのでドキドキですが…颯爽と戦場の有明を目指すこなたと、その姿を見て呆れながらも結局付き添うかがみ…といった感じ。皆様、冬の祭典の準備は整っておりますでしょうか?今回ウチは落選してしまいましたがorz -- 狂信者M (2008-12-16 02 32 22) 既にヤル気満々のこなたに呆れつつ、何気に微笑ましげな眼差しを送るかがみがイイネ!このカプにかかれば、互いの趣味の相違も「関係性の」萌え要素に上手いことなってくれまんなぁ。 -- 通りすがり (2008-12-16 22 40 38) 仲良さそうやねー -- 名無しさん (2008-12-16 23 39 13) かがみと仲よかったけ? -- ノン (2009-01-24 11 27 50) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/215.html
「ふう。 さっぱりしたねぇ~、かがみ」 「そうね、湯加減も丁度良かったし」 そんな会話を交わしながら浴室から出てきた私たちの体は、いつも以上に火照っていた。どうやらお互いに 長湯し過ぎたらしい。 だけど、私の方の体だけは、二重の意味で火照っていた。理由は……恥ずかしいから思い出さないでおこう。 「はぁ~、こう火照ってると、少し頭がクラクラするわね」 「そだね~。 あ、そういえば確か冷蔵庫に飲み物があったから、持ってきてあげるよ。少しは調子良くなるかも」 「そう? それじゃあ遠慮無く頂いちゃおっかな」 「じゃあかがみはそこで待っててよ。 すぐ戻ってくるからさ」 こなたは私にそう告げると、まだ乾ききってない髪を揺らしながら、意気揚々とキッチンの方へと歩いていった。 私はというと、おろしたままの自分の髪の毛に指を絡ませつつ、部屋の真ん中で静かにこなたが戻ってくるのを 待っていた。 (そういえば、さっきはここで大泣きしちゃったんだっけ。だけど、あの時こなたは私に……) 畳の上にぺたりと座り込みながら、私はさっき起きた出来事を思い出していた。 『……だからさ、一人だけで何でも抱え込むのはやめなよ。たとえ、いつか別れる事になっても、私たちは ずっと親友だよ!』 あの時、確かにこなたは私のことを『親友』と言ってくれた。その言葉が、私にとっては凄く嬉しいものだった。 だけど、私自身はこなたのことをどう思っているのかな。 私にとってこなたは、同期生? 親友? それとも―― 「なっ、なに考えちゃってるのよ。 落ち着け、落ち着けよ私」 理由も分からずに自分の顔が真っ赤になっていくのが分かる。それは、今までに経験したことのない 複雑な気持ちだった。 そんな矢先、ドアの向こう側からパタパタという音が聞こえてきた。どうやら、こなたが戻ってきたらしい。 「ただいま~」 数秒後、甲高い声が聞こえてきたのとほぼ同時にドアが開くと、それを押しのける様にして、こなたが部屋に入ってきた。 右手に牛乳のパックを、左手にお盆とコップを乗せているこなたの姿は、いつかどこかで見た光景と まるで変わっていなかった。 「はい、かがみの分の牛乳だよ」 「お、サンキュ~」 「いやいや~、礼にはおよばないって。ささ、一気にぐいっと飲んじゃおうよ」 そう言うとこなたは、コップを手に取ると、その中に牛乳を注いで、くぴくぴと飲み始めた。 見た目以上に幼く見えるその姿に、私は思わず笑顔になっていた。 「ホンット、子供っぽいんだから……」 「えっ、何か言った、かがみ?」 「な、何でもないわよ。 ちょっとした独り言。それよりも、早く気合入れてレポート作っちゃいなさいよ。まずは 資料を用意して、その後パソコンを……あ、あれ?」 そう私が言い切るよりも早く、こなたがコップを置いて動き出していた。 手早く資料を用意して、パソコンの電源を素早く入れている所だけ見ると、まるで優秀な学者のようにも みえたというのはさすがに考え過ぎかな。 「はいはい、 もうやってますよ~。もうここまで来ちゃったら、湯冷めしない内に終わらせちゃおうよ」 「へぇ、珍しく気合い入ってるじゃない私はてっきり、完全に忘れてるもんだと思ってたわよ」 珍しくやる気を出しているこなたを見て、私はほっと安心した。 ……しかし、次のこなたの一言で私は一気に現実に引き戻された。 「いや~、今日の深夜から新しく始まるアニメをリアルタイムで観たいんだよね。だから、ぱぱっと終わらせて 本番に備えようかな~、ってね」 「やっぱりアニメかよっ! そんな事だろうと思ったわよ。ま、まあ、やる気があるっていうのは良いことだけどね」 多分、この時の私の瞳はわずかながら泳いでいたと思う。そして、その小さな変化を青髪の小悪魔は 見逃してくれなかった。 「ふ~ん。ねぇ、やっぱりかがみってさぁ……」 「だ~、それ以上何か言うの禁止! ていうか、まともに始めなさいよっ!」 牛乳の入ったコップを片手に持ちながら、私はこなたに小さな雷を落とていた。 結局、そんな出来事はまだまだ始まりに過ぎず、私たちの夜はまだまだ続くのであった―― 「そうそう、後はここに参考文献の表を載せて……はい、これで完成よ!」 「やったぁ。 これでやっと終わった~」 時計の長針と短針が一日の役目を終えてぴったりと重なる頃、私のレポート指南もようやく終わりを告げていた。 こなたが集中力を切らさないようにハラハラしながらも、大きな話題の脱線も無く、これ無事にレポートは完成した。 「ま、色々あったけど改めてお疲れ様。アンタにしてはよく頑張ったと思うわよ」 「いやぁ~。 褒めたってなんにもでないよ、かがみぃ」 こなたは、心底嬉しそうにバンザイをしながら顔を綻ばせていた。 そんなこなたの動きに合わせて、頭頂部のアホ毛が揺れている。『素直で可愛いなぁ』と思わず 口に出しそうになってしまったが、すんでの所でその言葉を飲み込んだ。 「でもさ、アンタも極端よね~。いつもはギリギリまで課題なんてしないのに、アニメ絡みの時だけ 早く終わらせようとするんだから」 「……まぁ、それ以外にも理由あるんだけどね、ホントは」 「えっ? それってどういうこと?」 今、確かにこなたは他にも理由があると言った。 だけど、その言葉の本当の意味を、この時の私はまだ分からないままでいた。 「いやいや~、別に何でもないよ~。れじゃあ私、今の内に布団敷いてくるからさ、かがみは 先に歯磨きとか済ませちゃっててよ」 「りょ~かい、それじゃあ先に行くわね」 なんか違和感を感じたけど、気のせいかな。 外泊用の歯磨きセットと着替えを手に取りながら、私はしばらくの間考えこんでいた…… 「それじゃあ電気落とすね~」 「うん、いいわよ~」 こなたの手によって電灯のヒモが二回引っ張られ、部屋の中がほのかなオレンジ色にそまる。 そんな状況の中、私とこなたは寄り添う様にして布団に入っていた。 かけ布団こそ別々であるものの、六畳間であるという都合上、私たちの間の距離は、実質あって無い様なものであった。 「ふふん、放送が始まるまでのこのワクワク感がたまらないよねぇ。 電気を落とした状態で観るのもまた乙なものだし」 そう高らかに宣言して、全然寝ようとしない様子は、やっぱりこなたらしいということになるのだろうか。 いつもよりテンションの高いこなたを隣に見つつ、私は分析を始めてみたが、すぐに答えは出てこなかった。 「そういえば、こうやって一緒に寝るのも久しぶりだよね」 「うん、たまにはこういうのも楽しくていいわね。あっ、別にアンタと一緒だから楽しいって訳じゃないのよ」 「ふ~ん……」 しまった。 何言っちゃってるんだろう、私。 ホントは、楽しくて、嬉しい時間のハズなのに。こういう時に、素直にならなくちゃ意味ないじゃない。 「ごっ、ごめん。 今のはちょっと言い過ぎちゃったわ。傷つけるつもりなんて全然無かったんだけど……」 布団の端っこをぎゅっと掴みながら、そう弁解した。 こなたは、そんな風に私が行動するのを待ってたかの様に頬を綻ばせながら喋りだした。 「……かがみってさぁ、やっぱりかわいいよね~。初めて会った時から目をつけてて正解だったよ」 「バッ、バカッ。 急に何言ってんのよ。こなた……らしいじゃない」 今日だけで何回目かも分からない程真っ赤になった私の姿を、こなたは真横からじっと見つめていた。 真っ直ぐに伸びた青い髪が、布団の下を通じて私の体に触れる。 ――こなたが、こんな近くにいる。 私の、すぐ側に。 大切な人って、こんな身近にいたんだよね。 正面からお互いに気持ちをぶつけあえる、そんな存在。 だからこなたとは、ずっと親友でいよう。 ずっと、一緒だよ。 そんな私の心の中を察したかの様に、こなたが静かに口を開いた。 「ねぇ、かがみ」 「なぁに、こなた?」 低い音が支配する六畳間に、私たちの声だけが響く。 外では、さっきまで吹いていた秋風がなりをひそめ、代わりに出てきた秋虫たちが統率のとれた演奏会を開いていた。 「番組が始まるまでさ、色々話さない? 高校生の頃の思い出とか、そういうの」 「そうね、いいわよ。でも、どんなこと話そうかしら」 「じゃあさ、あの時の話なんてどう? ほら、かがみが初めて私のこと名前で呼んでくれた……」 「なっ、それを私に振る訳? ちょっと恥ずかしいんだけど」 全く、よりにもよって、『あの時』の出来事だなんて。 はっきり言って、こんな話はつかさくらいにしかしないのに。 「え~、いいじゃ~ん。 たっぷり話そうよぉ」 「もう、しょうがないわね~」 「やった~! ……って言ってはみたものの、実際はどんなことがあったんだっけ?」 「だ~、全然ダメじゃないのよ! 私がきっちり思い出させてあげるわよ。確かあれは――」 ――そして、私は話し始めた。私とこなたが初めて出会った頃の日々の出来事を。 嬉しいこと、悲しいこと、その他の色々な思い出が、次々に蘇ってくる。そう、それは 思い出という名の世界に現れた、儚い記憶のカケラ―― 記憶のカケラへ続く コメントフォーム 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/1101.html
H5-912氏 『Crazy☆Rendezvous ~クレイジー・ランデブー~』 H5-860氏 こなたの必修科目 mono氏 贈り物 父親として 愛する人と(登校編) 愛する人と(授業編) 優先順位 掛け値なしの(↑の続編) 序列(↑の続編) とても大きな存在(↑の続編) 日常のなかの特別 こころのきょり いのち、つながり【かがみの誕生日記念】 その先にあるのは 終わりも始まりもない-New! 向坂氏 何気ない日々:梅雨晴れ “イメージと現実”(何気ない日々:梅雨の空と四人の気持ちの続編) 何気ない日々:梅雨晴れのち夕立“二人の気持ち” 何気ない日々:想い流るる前日“互いに違う答え” 何気ない日々:想い流るる日“固い決意、揺らぐ決意”-New! 何気ない日々:想い流るる日“ウサギはキツネに キツネはウサギに 恋をする” 何気ない日々:想い通う時“親と子” 春の陽光、桜舞い散る記憶無き思い出の場所で【第2回こなかがコンペ参加作品】 貴女と私の世界【こなかがコンペ参加作品】 今宵の七夕に笹の葉は無くとも ある夏休みの日常の風景(↑の続編)-New! エンジ氏 サクライロノキセツ【第2回こなかがコンペ参加作品】 切ない気持ち お姉ちゃんを観察!!-お昼休み-(お姉ちゃんを観察!!-午前-の続編) 甘えたい 一人ぼっちは嫌だから お姉ちゃんを観察!!-これも愛の形 愛し尽くせぬヒロインであれ(グラップラー刃牙ネタ)-New! 10-79氏 11話 Correct answer(同居人シリーズ10話 for meの続き) 最終話 Daily life(同居人シリーズ完結)-New! H4-53氏 てろてろ こなかがノベルゲーム-New! はな☆びん-New! H3-525氏 愚痴 意思にて漱ぐ 遠いあなたとお花見を【第2回こなかがコンペ参加作品】 ルームサーチに気をつけて【エイプリルフールネタ】 厳禁 擦れ違いのその後に【こなかがコンペ参加作品】-New! H2-209氏 無題(H2-209氏)(仮)3(無題(H2-209氏)(仮)2のこなた視点後編) 無題(H2-209氏)(仮)4(↑のかがみ視点) 二人なら……【こなかがコンペ参加作品】-New! カローラ ◆cKDLcxC5HE氏 誰も居なくなった浜辺に【こなかがコンペ参加作品】-New! H5-254氏 桜吹雪 最後の挨拶(シリアス) 婦警こなた・スピード違反の出会い編 婦警こなた・駐車違反はハッテン場編 古ぼけた佇まいの雑貨屋の話【こなかがコンペ参加作品】-New! 1-166氏 手紙【こなかがコンペ参加作品】-New! 18-817氏 小さな恋の話シリーズセンシティヴィティ レミニセンス-New! 向坂氏・H4-53氏 ダイエットよりも大切なこと-New! H5-455氏 ジャスト・コミュニケーション-New! j氏 殺人考察【第2回こなかがコンペ参加作品】 ひとり、ふたり (後編) 脅迫ゲーム 拝啓 柊かがみさま-New! H4-863氏 レイニー・デイ・ブルー(小さな勇気の続編) 悠久の時を願うように(レイニー・デイ・ブルーの続編) 届けられない言葉(悠久の時を願うようにの続編)-New! yo-ko氏 いふ☆すた EpisodeⅣ~大地はやさしく受けとめる~ 中盤(いふ☆すた EpisodeⅣ~大地はやさしく受けとめる~の続編)(シリアス・二次設定) いふ☆すた EpisodeⅣ~大地はやさしく受けとめる~ 後半(シリアス・二次設定) いふ☆すた EpisodeⅤ~ココロに降る雨がその大地を潤す~(シリアス・二次設定) いふ☆すた Episode LAST ~やがてその実は大樹となる~(シリアス・鬱展開注意) いふ☆すた エピローグ ~今はまだ、小さな芽生え~ 手を繋ごう! 日下月陰 ~ヒノシタノ ツキノカゲデ~ 『 花火 』 Any time (ウィークリーな彼女の続編)-New! H4-419氏 コーヒーブレイク/キャラメル・ラテ 賢者の石-New! 12-570氏 『弾けた日常』その3(『弾けた日常』その2の続編)-New! H1-52氏 桜の刹那【第2回こなかがコンペ参加作品】-New! Juno氏 You Know You re Right -Cherry Brandy Mix-【第2回こなかがコンペ参加作品】 Fields of Gold (前編)-New! Fields of Gold (後編) 別館107号氏 前略 母上様(独自設定 注意)前編、前略 母上様(独自設定 注意)後編◆注意!お読みになる前に 二つの結婚宣言(独自設定 注意)(加筆訂正版)◆注意!お読みになる前に-New! 20-760氏 この甘さに思いを込めて(「守る」という事シリーズの延長作品) この甘さに思いを込めて(2) この甘さに思いを込めて(完結) 1-500氏 リミテッド エイト-New!
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/2337.html
ゆっくりのおもちゃ 4KB 小ネタ 現代 創作亜種 小ネタというか妄想です ・10回目 ・原始種 ・ゆっくりが変なスペックです。注意。 ・虐めません。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス デパートでゆっくり専用のおもちゃが有ったので、買ってきた。 今更だけど、何の気の迷いで三千円もパーに・・・売り子のゆうかときめぇまるにつられたのか。 まあ、買ってしまったなら仕方ない。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりしていってね!!!」 「はいはい。ゆっくりゆっくり」 割りとポピュラーなれいむとまりさ。 この二人は、野生ゆっくりや他の家のゆっくりのような生物行動をしない。 いわゆる原始ゆっくりらしい。 どこから着たのかも分からず、気付いたら家に居着いていた。 最初は追い出そうとしたけども独身の淋しさを紛らわしてくれるのも事実なので、なんだかんだで飼っている。 さっそくおもちゃで遊ばせることにする。 ゆっくりにいろいろな種類があるように、おもちゃもゆっくりの種類ごとに、規格が違っていた。 れいむのおもちゃは、陰陽玉と銘打たれたゴムボール。 炊飯器ほどの大きさのれいむより一回り小さい。 白色の勾玉と黒色の勾玉を円になるように合わせた模様はよくみるものだ。 目の前に転がされた陰陽玉を、れいむは不思議そうな顔で見ている。 説明書を見てみると、れいむが興味を示すまでそっとしておけと書いてある。 なので、そのまま待ってみる。 十二分後。 いい加減、手持ち無沙汰になり、固まったれいむに背を向け、まりさのおもちゃを組み立てているとれいむに動きがあったのか、物音がした。 振り返ってみると。 陰陽玉の上に飛び乗ったかと思うと、陰陽玉ごと宙に浮いていた。 そのまま部屋の中をふよふよ移動している。 ゆっくりを乗せた空飛ぶゴムボール。 シュール過ぎる。 あっけらかんとしているとれいむが目の前に来た。 「わたしははくれいのみこよ。ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっ・・・ゆっくりしていってね・・・」 今まで、ゆっくりしていってね以外喋らなかったゆっくりれいむがまともなことを言ったことに驚く暇もなく、またれいむはまた部屋の中をうろうろしだす。 慌てて説明書を確認する。 Q&A。 Q.ゆっくりが空中に浮くんですが・・・。 A.純餡に近いれいむによっては、陰陽玉を使って浮くことができます。その場合、外に行かないように戸締まりをして、広い場所でご使用ください。 仕様らしかった。 最近のおもちゃの出来に関心しながらまりさのおもちゃを組み上げた。 ミニ八卦鈩という名前の八角形の箱。 中心に球体のビー玉のようなものがある。 まりさの前に置いてみる。 まりさもまた不思議そうな顔でミニ八卦鈩を見つめている。 今、部屋中を飛び回ってるれいむのこともあるので今度は目を離さないように凝視する。 二十四分後。 さすがに、集中力が切れてきた頃。 まりさはおもむろに、ミニ八卦鈩をおさげで掴み、眼前に翳す。 すると、七色の光とともに強烈な熱が溢れ出した。 光はスターウォーズで聞いたことがあるような音と共に、飛んでいたれいむを包み込む。 光が収まる頃には、れいむは目を回して地面に倒れていた。 慌てて説明書を読む。 Q&A Q.まりさがレーザー光線を出したのですが・・・。 A.純餡に近いまりさによっては、ますたーすぱーくを撃つことがあります。カーテンを閉め、広い場所でご使用ください。 仕様らしい。 れいむは起き上がってまりさを睨む。 まりさもまりさで、勝ち誇った顔で睨み返している。 止める間もなく、二人は弾のようなものを出しながら空中を飛び回り始める。 部屋が無茶苦茶に荒らされるまで、呆然と見ているしかなかった。 翌日、れいむとまりさをお仕置きの為に透明な箱に隔離し、捨てようとしたおもちゃのパッケージの裏に、ゆっくりだんまくごっこ用オプションと書かれていたのを発見し、重い気持ちになった。 そんなゆっくりのおもちゃの登場以降、世界中でゆっくりを弾幕ごっこで戦わせる東方緩弾幕という競技が流行したという。 それらを見る度に、れいむとまりさが弾幕ごっこを始めようとするのを止めるのが、日課になってしまった。 アトガキ ゆっくりの弾幕ごっこを書いたSSをいくつか読んだことがあるのですが、 ゆっくりが弾幕って無理あるよなぁ・・・。 ↓ オプションでなんかあればなんとかならね? ↓ 初期のゆっくりならなんでもありじゃね? ↓ もう、原作キャラっぽいのでよくね? ↓ どうしてこうなった。 でも、ノリで書いた東方緩弾幕のを書いてみてるんですが、楽しいです。妄想する分には。ポケモンみたいな感じで。 ルールブックみたいのもちょくちょく書いてます。妄想です。はい。 餡小話じゃなくてぬえ行きかなぁ・・・むしろお蔵入りですねはい・・・。 ご読了ありがとうございました。 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット ・ふたば系ゆっくりいじめ 1018 ゆっくりつくーる ・ふたば系ゆっくりいじめ 1054 夢想天生 ・ふたば系ゆっくりいじめ 1064 スペクタクルスパイダーウーマン ・ふたば系ゆっくりいじめ 1091 つるべおとし ・ふたば系ゆっくりいじめ 1118 ゆっくりのおもちゃ どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る まりさ -- 2015-01-05 23 20 56 ゲス -- 2015-01-05 23 20 37 ↓原始ゆっくりだと「おおいたいたい」程度で潰れないんじゃないか。ぺしゃんこになっても すぐ元にもどるはず。下手するとそういう刺激で分裂して増えるかもw -- 2012-09-14 22 47 30 ゆっくりれいむに わたしははくれいのみこよ! とか言われたら「思い上がるな死ね!」としか返せない。で、潰す。 -- 2011-03-07 22 22 09 空をとぶれいむを想像したら笑ってしまった。 -- 2010-12-21 19 32 38 原作とのリンクがあると楽しいな。こういうのも良い。 -- 2010-08-06 21 26 34
https://w.atwiki.jp/konatazisatu/pages/59.html
3話 ~翌日の朝~ こなた「ん・・・ここは・・・私の部屋・・・だよね・・・いつのまにここへ・・・」 後で聞いた話では、つかさが帰った後、お父さんがやってきて、片づけをして私をおんぶして部屋に寝かせたらしい。 こなた「どうしてつかさはあんなことをしたんだろう・・・。突き止めなきゃ。」 つかさにちゃんと聞いて悪いとこはなおそうと決心したのだ。そうすれば、前の関係に戻れるから・・・と。 こなた「そうと決まれば早くいかなきゃ!」 そういってご飯をさっさとすませると、家を出た。 学校につくと、げた箱に手紙が入っていた。 『これをよんだら屋上にきてbyかがみ』 こなた「かがみんからだ!」 どうしよう屋上に呼び出すなんてかがみんらしくないな。 1、かがみんに呼ばれてるんだから行かなきゃ! 2、はやく教室にいってつかさを説得しないと。 →1 かがみんがまってるんだ!早く行かなきゃ。 そう考え、屋上へ向かった。 ガチャ! こなた「かがみんー、来たよー?」 あれ・・・誰もいない・・・。 ???「ここ開けっ放しやないか、ちゃんとしめとかな!」 バタンッ・・・ガチャ・・・。 こなた「Σんなっ!?」 閉められた!?あの声は黒井センセ・・・? こなた「ちょ、センセ!!まだなかにいるってば!」 ガンガンッ・・・・・・。 だめだ・・・いっちゃった。どうしよう、かがみんいないし・・・。 誰かこないかな・・・。 こなた「・・・あれ?なにこれ・・・」 そこには、『こなちゃんへ』とかかれた小包がおかれているだけだった・・・。 とりあえず、開けてみることにした。 開けてみると、そこには手紙と写真が何枚か入っていた。 私は手紙を読むことにした。 『こなちゃんへ、お姉ちゃんから逃げて!早くしないとみんなが!!』 こなた「・・・?つかさの嫌がらせ・・・?」 ふと、私は写真を見た。 こなた「・・・そんな・・・かがみんが・・・」 そんなはずない・・・。 そこにうつっていたのは、私の弁当になにか粉を入れているかがみんの姿だった。 こなた「そうだ、つかさに脅されてやってるに違いない・・・」 そうだ、絶対にそうだ・・・。・・・許さない・・・つかさを説得なんて無理だ・・・。 無理ならどうしたらいい・・・?つかさを殺す・・・? そんなのだめ・・・。 どうしたらいい・・・。 こなた「とりあえずここを出なきゃ」 ポケットを探るとネトオクで買った、ピッキングセットが入っていた。 こなた「これで・・・」 カチャカチャ・・・・・・。 ガチャ! こなた「よし、早く教室にいかなきゃ!」 早々と教室へ向かった。 ~そのころの教室~ ガラガラッ! かがみ「朝からこなたいないけどどこへやったの?」 つかさ「お、お姉ちゃん・・・?どうしたの?」 かがみ「私決めた!私はつかさなんかに負けない。こなたをちゃんと守るって!」 つかさ「なんのこと・・・?私わからな・・・」 かがみ「とぼけないで!」 そのときだった・・・。 こなた「・・・かがみ・・・ん・・・?何してるの・・・?」 かがみ「・・・こな・・・た・・・!?これは・・・」 つかさ「助けてこなちゃん!お姉ちゃんがいきなり殴りかかってきて!」 そのつかさの一言で私の中でなにかが崩れた。 こなた「そんな・・・信じてたのに・・・」 かがみ「違う!こなた、これはつかさが・・・」 こなた「つかさに罪をきせて・・・」 かがみ「こな・・・。」 こなた「こないで・・・」 かがみ「ぇ・・・。こなた・・・」 こなた「かがみんなんか大嫌い!」 信じてたのに・・・信じてたのに! 私はそのまま教室からはしっていった。 かがみ「こな・・・た・・・違う・・・私じゃ・・・」 つかさ「クスクス・・・。お姉ちゃんタイミング悪すぎぃ、あはは☆これでこなちゃんをいじめやすくなったよ。ありがとう、お姉ちゃん」 かがみ「・・・・・・こな・・・た」 4話へ
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1287.html
とくべつなあまあま 12KB 虐待 理不尽 野良ゆ 都会 現代 虐待人間 あっさりしみじみ虐待 ※独自設定垂れ流し ※ゆっくりが悲鳴ひとつあげないぬる虐待 「おはようございます。今日もですか?」 秋を終えつつある、早朝の街。静寂と寒さに張りつめた街の中。 新聞配達の青年に呼び止められ、年老いた男は振り返った。 「おお、おはよう。わしは今日も公園に行くところじゃよ」 にこやかに老人は答えた。 青年の視線は男の肩掛けのバッグへと向く。バッグの口からはペットショップの包装が見 える。 「正直言って、俺はどうかと思うんですけどね、あいつらに餌やるのって。あいつら、全 然かわいくないし」 「そうかのう。じゃがの、わしはあいつらがどうにも好きななんじゃよ……好きで好きで たまらないんじゃよ……」 老人はにこりと笑った。 穏和な、人のいい笑顔。それなのに、なにか青年は寒気を覚えた。理由がわからないその 感覚に、青年はしばし戸惑う。 「それじゃあの。お仕事、かんばってのう」 会釈をし、老人は去っていった。 青年はぶるり、と身を震わした。どうやら汗をかいていたところに立ち止まったものだか ら、身体が冷えたらしい。そのための寒気に違いない。だって寒気を感じる理由がない。 あんな人のいい老人は今時滅多にいないのだ。 それにしても、と青年は思う。 本当に変わった人だ。毎週日曜日、こんな朝っぱらからわざわざ公園に行って、ゆっくり に餌をくれてやるなんて、と。 とくべつなあまあま 「ゆゆ! おじいさんがきたよ!」 「おじいさん! ゆうう! ゆっくりー!」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 街の一角にある自然公園。噴水のある広場は、早朝にも関わらず賑わっていた。 れいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありす。大小さまざまなゆっくりたちがひしめいていた。 歓迎の言葉に、老人はにこやかに笑った。 生首饅頭ナマモノ、ゆっくり。その突然の登場から、五十年以上が経とうとしていた。 当初は身の程をわきまえない言動に迷惑な行動、異常な繁殖力と人々を悩ませたモノだっ た。だが、苛烈な駆除の繰り返しによって、人間に迷惑をかけるゲスゆっくりは街中には ほとんどいなくなった。 こうして老人を迎えるゆっくりたちも、野良生活に肌や髪やおかざりは薄汚れているもの の、その瞳は澄んで輝いている。 「さあ、今日もおいしいごはんを持ってきたぞい」 「ゆっくりーっ!」 「おじいさん、ありがとう!」 「ゆっくいしていってね! ゆっくりしていってね!」 老人が肩掛けのバッグからペットショップの袋――その中におさめられたゆっくりフード を取り出すと、ゆっくりたちは喜びの声を上げた。 老人は毎週日曜の早朝、こうして公園にやってきてはゆっくりたちに餌を与えているのだ。 初めはほとんどのゆっくりが老人の呼びかけに応えなかった。 世にゆっくりが現れ始めた頃と違い、現在の野良ゆっくりは警戒心が強く、人前に姿を現 すことは滅多にない。人前に不用意に姿を見せる愚かなゲスや間抜けなゆっくりが淘汰さ れ、利口なゆっくりが生き残った結果だ。 だが、老人は辛抱強く、毎週決まった時間にやってきてはゆっくりに餌を与えてきた。や がて、こうしてたくさんのゆっくりたちがここに姿を現すようになったのだ。 「さあ、食べなさい」 老人がゆっくりフードをばらまくと、ゆっくりが群がって食べ出す。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「おかーしゃん、とってもおいちぃにぇ!」 「ゆうう、とってもゆっくいしたごはんさんだよおおお!」 老人は手慣れたものだ。ゆっくりたちが食べやすいよう、ゆっくりフードを満遍なく手際 よくばらまいていく。 その様は花咲かじいさんを思わせた。花咲かじいさんは灰をまいて枯れ木に花をさかせた が、この老人はゆっくりフードをまいて野良ゆっくりに笑顔を咲かせている。 野良ゆっくりの生活が過酷なのは今も昔も変わらない。老人の持ってきたゆっくりフード は高級なものではない。それでも野良が滅多に口にすることのできない、栄養満点でゆっ くりの舌を肥えさせすぎることなく食欲と満足感を与える逸品だ。 やがて、老人の持ってきた全てのゆっくりフードは食べ尽くされた。 「おいしかったね! ゆっくりできるね!」 「ゆうう、ゆっくり~」 「みんな、おじいさんにおれいをいおうね!」 ゆっくりたちは一週間ぶりの満足感に浸りながら、それでも感謝の気持ちは忘れていなか った。 「おじいさんありがとう! ゆっくりしていってね!」 何十匹ものゆっくりがきちんとそろってお礼を言う。こうしたとき、全員そろって一言一 句乱れることなく言えるのはゆっくりの特徴だ。 「みんな、今日もとってもいい子たちじゃのう。ゆっくりしているのう」 そんなたくさんの感謝の言葉に、おじいさんはにこにこと柔和な笑みを返す。そのゆっく りとした様子に、ゆっくりたちはますますゆっくりするのだった。 そして、ゆっくりたちはじっと老人を見つめる。その瞳は期待の光で輝いている。 「それじゃあいつもどおり、この中の一匹だけに『とくべつなあまあま』をあげるぞい!」 「ゆわああああああああい!」 老人の言葉にゆっくりたちは色めきたった。 老人はいつもゆっくりフードを与えた後、こうして一匹だけに『とくべつなあまあま』を くれるのだ。 ゆっくりたちはじっと黙って老人を見つめる。自分によこせと騒いだりする悪いゆっくり は決して選ばれない。だからゆっくりたちは静かにじっと、待ち続ける。 そんなゆっくりたちを、老人は一匹ずつじっくり眺めていく。 そして、ついに決めた。 「……よし、今日はそこのれいむにしようかのう」 「ゆうう! おじいさん、ありがとう!」 「よかったね! れいむ!」 「ゆっくりしていってね! ゆっくりしていってね!」 喜びに震えるれいむ。周りのゆっくりたちも自分のことのように喜ぶ。現在の野良には善 良な個体が多い。ゆっくりは弱くて脆い。過酷な野良生活で生き残るには協力が必須であ り、身勝手なゲスが淘汰されたためである。 老人は選び出したれいむを優しく持ち上げた。 「ゆ~、おそらをとんでいるみたい~♪」 現在の街に隠れすむ野良は、人間にこうしてやさしく持ち上げてもらうことなど滅多にな い。浮遊感にれいむはご満悦なご様子だった。 そのしあわせな光景に、まわりのゆっくりたちもまた微笑んだ。 そして、老人はゆっくりたちの並ぶ前に立つ。 「さあ、れいむ。おくちを大きく開けるんじゃ」 「ゆ! ゆっくりりかいしたよ。あ~ん……」 ゆっくりたちからはれいむの後頭部しか見えない。だからいつも、ゆっくりたちは選ばれ たゆっくりがどんなものをもらっているのか知らない。 『とくべつなあまあま』が、なんであるか知らない。 選ばれたれいむは、どきどきしながら口を開け、今か今かと待っていた。 夢にまでみた『とくべつなあまあま』。それはいったいどんなにおいしいのだろう。どれ ほど「しあわせー」なのだろう。れいむの餡子脳はしあわせな想像で沸騰してしまいそう だった。 だから、次に起きたことをまったく理解できなかった。 老人の手が素早く喉の奥まで滑り込んできた。 ゆ、と声を上げる間もなく、手はれいむの舌の根本を掴んだ。 そして、れいむの舌はぐるりとねじられ、ぶつりと根元からちぎられた。 「~~~~~~~~~~っ!」 れいむは悲鳴を上げようとした。 しかし、老人に阻まれた。舌をねじってちぎった手はすでにれいむのあたまのてっぺんに ある。その手と、れいむのあんよを持った手。それらに上下から押さえつけられて、口を 開けられなくなってしまったのだ。 声をあげる代わりに、れいむは震えで苦痛を示した。 震えは二つの動きから成った。 一つは、激痛による痙攣のビクンッ、ビクンッ、という動き。 もう一つは、ちぎられたばかりの舌が口の中で暴れて、口の中でぶつかって生じる振動に よるビクッ、ビクッという動き。 ビクンッ、ビクンッ、ビクッ。ビクンッ、ビクンッ、ビクッ。ビクッ、ビクッ、ビクンッ。 二種類の動きからなる奇妙な震えだった。 モミアゲもめちゃくちゃに動いている。 そんなれいむに、老人はそっと囁いた。 「……おくちをぎゅっと閉じるんじゃ。そうせんと、舌さんが二度とくっつかなくなるぞ」 れいむの餡子脳は痛みの激しさと唐突さのあまり、現状をうまく認識できないでいた。 れいむを見つめる老人は、いつもの微笑みを浮かべている。ゆっくりしている。ゆっくり の本能はよりゆっくりとしたことを優先する。だから、わけがわからなかったけれど、老 人の言葉を信じてぎゅっと口を閉じた。それでも痛くてたまらなくて、れいむはぼろぼろ と大粒の涙を流した。 れいむが口をしっかり閉めたことを確認すると、老人はすばやくれいむのりぼんに安全ピ ンをつけた。 そして、れいむをくるりと反転させ、ゆっくりたちへと向けさせた。 「みんな! 『とくべつなあまあま』を食べて、れいむは泣くほどおいしいと言っておる ぞ!」 「ゆううう、れいむ! よかったね!」 「ゆっくり! ゆっくりしてるね!」 激痛の震えも、苦痛の涙も、なにが起きたか見ていないゆっくりたちには伝わらない。信 頼している優しい老人の言葉の通り、れいむがゆっくりしているものと信じ込んでいる。 「……はやくおうちに帰るんじゃ。おうちでゆっくりせんと、舌さんはくっつかんぞ?」 ほかのゆっくりに聞こえないよう囁くと、老人はれいむを石畳の上に降ろした。 激痛に苦しむれいむは、老人の言葉だけを頼りに一目散で駆けだした。泣きながら、震え ながら、まるで痛みから逃げようとするように必死に跳ねていった。 「ゆうう! れいむとってもげんきだよ!」 「あまあま、とってもおいしかったんだね! よかったね!」 それを見るゆっくりたちはのんきな様子だった。 これは何度も見たことのある、ありふれた光景なのだった。 「さあ、おまえらももう帰るんじゃ。あんまりここでゆっくりしとると、怖いおにいさん が来るかもしれんでのう」 老人の言葉が締めになった。 「おじいさん、ありがとう!」 「おいしかったよ、おじいさん!」 「おじいさん、ゆっくりしていってね!」 感謝の言葉を残し、ゆっくりたちはそれぞれ散っていった。ゆっくりにしてはなかなか素 早いその様子は、街に住む野良ならでは、と言った感じだった。 老人は満足げにそんな様子を眺めた。 「さて、わしも帰るかのう」 そして、老人も歩きだした。 腰をたたきながら気怠げに、しかしその顔には晴れわたった笑みをたたえて。 老人は、若い頃からゆっくりの虐待を趣味としていた。その趣味は長続きし、老後もゆっ くりを虐待して過ごそうと考えていた。 だが、それは難しかった。 老人は身よりのない独り身、年金でどうにかこうにか細々と暮らすといった感じだった。 そうすると、ゆっくりが手に入らない。昔はゆっくりなど簡単に捕まえられたものだが、 最近は野良も警戒心を増してすっかり姿を見かけなくなってしまった。野生のゆっくりを 捕まえる為に山へ入るというのも老いた身には厳しい。ペットショップの安売り品を買う にしても、収入が限られた今ではあまり気軽には買えない。 ゆっくりは二匹いれば簡単に増やせるものの、維持費がかかるし手間もかかる。 そもそも、若い頃のように凝った派手な虐待は、老骨には厳しく、楽しさより大変という 念が強かった。 そこで考えたのがこの虐待だ。 毎週決まった曜日、決まった時間に野良があつまるよう餌付けする。ばらまく餌はペット ショップの特売品で、金は大してかからない。 そして、集まったゆっくりのうち一匹だけ選び、舌を根本からひっこ抜き、おうちに帰ら せる。このとき「口を開けずおうちでゆっくりすれば治る」と吹き込む。それはあくまで その場で悲鳴を上げず、とっととおうちへ帰らせるためだ。いくらゆっくりが思いこみの ナマモノと言っても、そんなことで引っこ抜かれた舌が治るはずもない。 ゆっくりの舌は人間の手にあたる。それを失うのは野良としては致命的だ。 また、舌は食べ物をのどの奥まで送り込む役目も持っている。それが根本から無くなるの だから、ものを食べることすらできなくなる。 窮状を仲間に訴えようにも舌がないのだからまともに喋れない。たとえ口の中を調べられ、 舌がないことに仲間が気づいたとしても、老人に結びつく可能性は低い。そのためにすぐ に家に帰らせたのだ。真相が発覚するまでの時間差が老人の原因だと考えさせるのを阻害 する。 そのため、老人はツガイのいない、独り身のゆっくりを選ぶ。虐待経験の長い老人は見た だけでそのくらいは区別がつく。 老人の予測では、舌を抜かれたゆっくりは、ほとんどが激痛のまま誰に助けも求められず ひっそりと死ぬ。 毎回目印に安全ピンを飾りにつけてやるが、今までそれをつけたゆっくりが日曜の朝、公 園に再びやってきたことはない。 「そういえば、あいつは違ったのう……」 老人が思いだしたのは、ある街角で襲いかかってきたまりさだ。おぼうしの安全ピンは間 違いなく老人のつけたものだった。 そのときは、たまたま近くを通りかかった「親切な青年」がゆっくりをたたきつぶしてく れた。 声にならない悲鳴を上げ、無念の籠もった目を向けながら、まったく関係のない人間につ ぶされるまりさ――その光景は、自分で虐待するのとはまた違った悦びを老人に感じさせ てくれた。 「またああいうことがあれば楽しいんじゃがのう」 老人は笑みを深くした。 毎週日曜の早朝。ゆっくりの舌を引き抜く。 次の日曜まで、舌を抜かれたゆっくりがどう苦しむか想像して楽しむ。 それが老人の今の虐待。 大して金もかからず、老いた身でも無理なくでき、しかも長期間にわたって続けられる、 のんびりとした虐待。 退屈で暇な時間の多い老人の生活を潤す、甘み。 老人にとっての、それが『とくべつなあまあま』だった。 了 by触発あき ・過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐! ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口 ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ! ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね! ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね! ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後 ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び ふたば系ゆっくりいじめ 213 制裁は誰がために ふたば系ゆっくりいじめ 233 どすらりー ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて ふたば系ゆっくりいじめ 478 おぼうしのなかにあったもの ふたば系ゆっくりいじめ 513 ネリアン ふたば系ゆっくりいじめ 534 ラストれいむロストホープ ふたば系ゆっくりいじめ 537 地べたを這いずる饅頭の瞳に映る世界 ふたば系ゆっくりいじめ 574 けがれなきゆっくりパーク ふたば系ゆっくりいじめ 596 復讐の為の人生なんて nue010 anko705のあの人の人生 上記より前の過去作品一覧は下記作品に収録 ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね! 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る じいさんwwwwwwwwwwwwww -- 2015-11-29 09 06 45 老後はこんな感じに生きたいな。 …まずゆっくりがいない訳だが。 -- 2012-10-18 01 09 56 じいさんに乾杯 -- 2012-07-23 15 07 48 じいさん、先輩すぎるwww -- 2012-07-20 23 16 51 いつか家族持ちのゆっくりを虐待する術も編み出してほしいな。 -- 2011-03-05 00 11 52 しぶいなあ、大人の虐待だね -- 2011-03-04 15 46 35 なるほど、ゆっくりフードは寄せ餌なのかw 家庭をもってるゆっくりには無害で優しいおじーさんなんだろうな~ -- 2010-10-19 17 46 55 ゆっくりした虐待だなぁ じいちゃん長生きしていってね!! -- 2010-09-30 06 34 12 ゆっくりできないくそじじいはえんまさまにしたさんをひっこぬかれてね!! -- 2010-07-17 03 11 43 こういうのいいなあ・・・。 -- 2010-06-10 01 48 00
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/984.html
『こなかが1/2 第1-B話「3月18~28日 泉こなたの11日間 前編」』 「本当に何なんだろう、この気持ち……」 ハルヒのライブの帰り道、私はこの感情を持て余していた。 祭りの後の脱力感ってかがみは言ってたけど、私はどうしてもそうは思えない。 だって、この気持ちはライブが終わる前から感じてたから。 そうだ…かがみに席を替わってもらってからだ。 前の人の所為でステージが全然見えなくて飛び跳ねていたとき、そっと自分の席と変わってくれたかがみ。 その時のかがみの優しい眼が、私の頭から離れない。 それに…… それに、嬉しかった。 みゆきさんもつかさも気が付いてくれなかった。 でもそれは仕方がないよ。あんだけうるくて、それにライブ楽しかったんだもん。気付かなくて当然。 …だけど、かがみだけは気が付いてくれた。かがみだけはちゃんと気が付いて、席を替わってくれた。 かがみだけは、私のことをちゃんと見ていてくれるんだ。 そう思うと嬉しくて堪らなかった。 だけど、今の気持ちは『嬉しい』ってだけじゃないような気がする。 この気持ちは、それだけじゃ説明できない。説明したくない。 じゃあ、それは一体なに?って話になるんだけど、それが分かればこんなに悩んだりしないよ。 私は思いつく言葉を順々に当てはめてみた。 感謝の気持ち? 確かにかがみには感謝してるけど、それとは何か違う気がする。 友情とか? あのタイミングで友情なんて感じるかな? ステージが見えた感動? そりゃあ、ステージが見えて感動したけど。そんなの今まで引きずるはずがないよ。 そんなことを考えながら、私は歩いていく。 そして最後の最後。その考えに、その気持ちに辿り着いた時、私はもう家のドアの前だった。 「……そんなはずないよ。」 首を左右に振って、軽く呟いた。だって、辿り着いたその気持ちは絶対にありえないことだったから。 「……とりあえず、家に入ろうかね。」 ポケットから鍵を取り出して、ドアの鍵穴に差し込む。 そしてそのまま回すと、『カチャッ』という音と共に鍵が開いた。 「ただいま~。」 ドアを開けて靴を脱ぐ。そしてその足でリビングへと向かった。 「おかえりなさい、お姉ちゃん。」 「おー、こなた。おかえり。どうだった?ライブは?」 部屋に入ると二人が振り返った。どうやら二人でテレビを見ていたらしい。 ゆーちゃんもお父さんと二人でテレビを見るぐらいには慣れてきたのかな。 最初の方は結構緊張してたみたいだから、すっごい進歩だ。この調子で、自分の家みたく思ってくれればいいんだけど。 「うん、すっごい面白かったよ。」 そう言って私は空いているイスに座った。 座った途端、思わずため息がこぼれる。やっぱ疲れてたのかな?座ったら、疲れがドッと出てきたよ。 「そっか~。平野綾ちゃん、可愛かったんだろうな~。あ~あ、俺も行きたかったよ……」 お父さんがハルヒのライブとな? 思わずSOS団のハッピを着て、かつペンライト片手に大声を上げる40代おっさんの姿を想像してしまう。 ああ、簡単に想像できちゃうところが恐ろしい。しかもそれがお父さんだと、滅茶苦茶しっくりするし。 「その姿が妙にしっくりくるけど、次があったとしても絶対参加しないでね。本当に恥ずかしいから。」 ライブってつくと、お父さんぐらいの歳だと行っちゃ駄目って思ってしまうのはなんでだろうね。 コミケとかだとなんにも感じないんだけど。う~ん。まあ、どうでもいっか。 「そうだよな。俺も歳を考えないといけないよな~。」 涙を滝のように流すお父さん。もしかして、本当にいきたかったの? 半ば冗談だと思っていたので、ちょっとびっくりした。 「しかし、ほんっっとうにこなたはいいよな。俺と中身入れ替わっても、全然違和感ないのにな~。」 「そんなことないよ。お姉ちゃんとおじさんが入れ替わったら、すぐ分かっちゃうよ。」 「うんうん、流石はゆーちゃん。お父さんとは違うね。」 ゆーちゃんの言葉に私は大きくうなずいた。 ああ、ゆーちゃんは本当にいい子だよ。かがみだったら、絶対に『それもそうね』とか言って相打ちするね! 「あっ……」 かがみのことを考えたら、一瞬胸が高鳴った。 家の前でたどり着いたその気持ちの事を思い出す。私はそれを心の中で必死に否定した。 だって……ありえないもん。おかしいもん。 「どうした、こなた?」 「ううん、なんでもない。」 胸の高鳴りは本当に一瞬。 ほら、やっぱ気のせいだよ。気のせい気のせい。 「それじゃあさ、こなた。せめて行けなかった俺にみやげ話でもしてくれよ。」 「私も聞きたいな。私ライブって行ったことないし。」 確かに、ゆーちゃんがライブに行くのは難しいだろう。 ああいった所だと体調崩しやすいし、それにもし崩したら大変だ。 「ゆーちゃんがライブに行っても大変だよ。ほら、ゆーちゃん小さいからさ。ステージ見えないよ。」 冗談に聞こえるように、おどけた声で私は言った。 自分が病弱な事をゆーちゃんは気にしている。いくら私でも、さっき考えた事をそのまま言えるわけがない。 「むぅ~!ひどいよ、お姉ちゃん!」 顔を膨らまして、ゆーちゃんが聞いてきた。いけない、怒らせちゃったかな。 「いやいや、これは私の実体験なのだよ。現に今日だって目の前の人がいたせいで全然ステージ見えなかったんだよ。」 「確かに、仮に席が段々になってても、背が低いと意味ないだろうしな。」 「本当だよ。ライブだから、全員立ってるしさ。私も結局かがみに……」 ―――――しまった そう思ったときには遅かった。すでに私の頭の中には、かがみの優しい顔が浮かんでいたのだから。 そして、あの時の気持ちも一緒に。 「どうした、こなた?かがみちゃんがなんだって?」 お父さんが聞いてきている。早く答えなきゃ。 そう思って言い返そうとするけれど、言葉が出ない。胸の高鳴りだけが段々と強くなる。 「あ……そ、そう!!かがみに席を替わってもらったんだよ!」 やっとの思いで、ようやく声が出た。でも、なんだか声が震えてしまう。もう、本当にどうしちゃったんだろう? 「そうか。かがみちゃん、いい子だな。」 「そ、そうだね。」 もう駄目だ。なんだかいっぱいいっぱいで、これ以上話せそうにない。 「あ、あのさ。話の前にお風呂に入ろうかなって思うんだけど。ライブで汗かいちゃったし。ゆーちゃん、お風呂沸いてる?」 突然の申し出に、お父さんもゆーちゃんもキョトンとしている。 だけど、今の私にそれをフォローする余裕なんてない。一刻も早く今の話を終わらせて、この気持ちから逃げ出したかった。 「う、うん。沸いてるよ。お姉ちゃんで最後だよ。」 「わかった。それじゃあ、さっさと入ってくるよ。」 私は急いで立ち上がると、そのまま逃げ出すように自分の部屋に向かった。 ―――――――――――――― 湯船に浸かると、心地よい刺激が体全体を駆け巡った。 冷たかったつま先が、お湯の熱で段々と暖まってくる。 『極楽、極楽』ってお風呂に入ったときに漫画なんか言うけど、いやまったくその通りだと思うよ。 冷えたときのお風呂は最高に気持ちがいい。 「ん~~!やっぱこの時期のお風呂は気持ちいいね。」 肩まで浸かって、お湯の温かさを存分に感じる。 これで足まで伸ばせたら、何の文句もないんだけどな。私なんか小さいから、もう少しで伸ばせそうなんだけど。 無理やり足を伸ばそうとする。だけど、駄目なものは駄目。ないものねだりというやつだね。 まあ、それはともかく…… 「はぁ……」 かがみのことを考えると、かならず出てくるあの気持ち。 そのことを考えると思わず、ため息が出た。 はっきり言うと、結論は出ていた。だって、もうこれしかないもん。 けど、認めたくない。認められない。 「……だってありえないよ、おかしいよ。」 今日何回かの言葉をもう一度呟いた。 その気持ちを表す二文字を言うつもりは絶対になかった。 それを言ってしまったら、認めてしまうも同然だから。 私だって、一応女の子だ。いつかはこんな気持ちをもつんじゃないかな、なんて思ったこともある。 だけど…… だけど、その気持ちを感じるのが、女の子じゃなくていいじゃん! よりにもよって、それがかがみじゃなくたっていいじゃん! 私は握り拳で湯船を思いっきりたたいた。バシャンという音と共に、水しぶきが当たりに飛び散る。 その一部を顔に浴びながら、私はさらに考える。 そうだよ。なんで?どうしてかがみなの?! 散々料理のことで馬鹿にした。 可愛い系は似合わないって言っておちょくった。 凶暴だとも言ったし、それ以外でもからかうなんてしょっちゅうだ。 それなのに、なんで今頃…… ゆっくりと、かがみのことを思い出す。 私のオタクな話でも、呆れずに最後まで聞いてくれるかがみ。 どんなに私が馬鹿なことをしても、結局付き合ってくれるかがみ。 体重が増えたといって、涙をながすかがみ。 そして今日、ただ一人私のことを気付いてくれて、席をゆずってくれたかがみ。 それどれもが、今の私には、まるで宝物のように感じられた。 「あっ、まただ…」 鼓動が高鳴る。体が熱くなる。嬉しいという気持ちに似てるけど、確かに違うこの気持ち。 この気持ちに耐えられなくて、ついお風呂場を見渡した。 当然目ぼしいものなど何にもなくて、湯船にも私の髪が広がるばかり。 「そういえば……」 私はタオルを手に取ると、そのまま頭にクルクルと巻いていく。 その格好はドラクエの商人みたいで、慣れないからかなんだか変な感じがした。 「かがみ、お風呂はいる時、こんな風にしてたよね。」 夏休みにみんなで海に遊びにいったときのことを思い出す。 あの時かがみは『ナンパされないのはこなたがいるから、家族連れに思われてるからだ』とかっていたんだよね。 あーあ、ヒドイよね。私、けっこう傷ついたよ…… あの時のかがみのお団子頭、新鮮で可愛かったなぁ… 「って、なに思い出に浸って一人でにやけてるのさ!」 これじゃあまるで、この気持ちを肯定してるみたいだ。 私はザバンと思いっきり頭を沈めた。タオルが頭から外れたけれど、そんなの気にしない。 ―――――駄目だ、絶対駄目。ありえない、変だよ、おかしいよ。気のせいだ。そう、こんなの気のせいだよ。 湯船の中、私は目を瞑りながら、必死に心の中でそう唱え続ける。 唱えていれば、否定し続ければ、この気持ちが無くなってくれるかのように。 少しすると息が続かなくなった。息を荒げながら仕方がなしに湯船から顔を出す。 「はぁ…、はぁ…、おかしいよ、本当に…」 髪から滴り落ちる水滴を顔に受けながら、私はそう呟いた。 ―――――――――――――― 次の日も、その次の日も、やっぱり私はそのままだった。 日付が変わればこの気持ちも無くなるのではないかという私の目論見は、脆くも外れてしまったというわけ。 この二日間は学校だったから、どうしてもかがみと会わざるを得なかった。 かがみが待っているいつもの待ち合わせの場所に行く。かがみと朝の挨拶をする。 かがみと一緒に学校に行く。かがみと一緒に朝の休み時間に他愛のない話をして、かがみと一緒に家に帰る。 ただそれだけ。いつも同じはずなのに、妙に意識してしまう。 かがみの言葉に反応が少し遅れる。かがみの顔を見る回数が増える。 その度に私は必死になって否定した。おかしい、ありえないって。 それでもかがみと言葉を交わすたびにそれは増えていって、かがみの顔を見るたびにそれは募っていた。 それが……酷く疎ましかった。 こんなことなら、この気持ちがなくなるまではかがみと会わないほうがいいよ。 そうとまで思った。 そんな思いをして、やっとの思いで春休み。 そしてようやくその願いがかなったというのに、今度逆にはかがみに会いたくて堪らない。 かがみの声を聞きたくて堪らない。 漫画を読んでても、ネトゲをしてても、どうしても身が入らない。 私の傍には電話の子機。それに滅多に使わない携帯電話まで置いてある。 ちょっと前の私だったら、絶対にありえない。 「はぁ……、やっぱり駄目だ。」 ネトゲ内の友人に別れの挨拶を打ち込み、ゲームからログアウトする。 そしてそのまま徐にタスクバーに表示されている時計の部分にマウスを動かす。 表示される日付は3月23日。もう3日もかがみと会っていない。 ―――――さみしい。 自分でもはっきりと分かる。私はかがみに会えなくて寂しがってるんだ。 会えば会うほどにこの気持ちは募っていく。かといって、会わなかったら寂しくなる。八方塞だった。 そう言えばそんな歌詞の歌、なんかで聞いたような気がする。 ええっと、確か私が小学生ぐらいのときのアニソンで…… あっ、ナデシコのルリルリの歌だ。 確かタイトルは……あっ、そうそう『あなたの一番になりたい』だ。 さっきの言葉は確か二番の歌詞で…… 「あ~えば会うほど募るばかり♪あ~えなきゃ寂しくなるばかり♪」 思い出した歌詞をアカペラで歌う。そういえば、ナデシコってもう10年以上前なんだよね。 『馬鹿ばっか』も、もう10年前かぁ…… そんなことを考えて歌を歌っていると、ほんの少しだけど気持ちが紛れた。 ゆーちゃんとかお父さんとかの迷惑かもしれないけど、構わずに謳い続ける。 「なんて…み~がっぁてな…そして困難な……」 ―――――恋をしたのでしょう 「…はぁ。」 歌詞の代わりに口から出たのはため息。 だけどこのため息は疲れからでも、もちろん憂鬱だから出たでもない。 ただ、あまりにもこの歌詞が今の私と同じだから…… 「やっぱり私………かがみこと、好きだ……」 今まで言えなかったたった二文字の気持ち。それをようやく、私は認めることが出来た。 どんなに否定しても、結局この気持ちは変わらなかったんだもん。 それじゃあ、やっぱそうなんだ。私はかがみのことが大好きなんだ。 「しっかし、アニソンで認めちゃうなんて、私もオタクだなぁ~」 背もたれに思いっきりもたれかかる。その反動でイスがちょっと浮いた。 「そっか…私、かがみのこと好きなんだ!」 もう一度、認めた気持ちを言い直す。 心が明るくなる。ちょっと前まで疎ましかった気持ちが、まるで宝物のように感じる。 今頃になってかがみが好きになったのは、きっと今までがフラグ立ての途中だったからだよ。 それでライブの日にようやくフラグ立てが全部終了したんだ。 女の子を…かがみを好きなっちゃったのは、きっと仕方のないことなんだよ。 だって私は、女の子のかがみのことが好きなっちゃんだから。 かがみが女の子だから、こうして友達になれて、かがみのことをよく知ることができたんだから。 もしかがみが男だったりしたら、きっとこんな風にはならなかったよ。 うん、そこを否定しちゃ駄目だ。 いつかのお風呂場でも問答を、自分なりに答えを導き出していく。 もう私の中にはこの想いに対して、なんら疑問はない。 「ん~。認めちゃったら、よけいにかがみの声が聞きたくなったよ。」 どうしようかな?電話しちゃってもいいのかな? ああ、でも今のまま電話をかけて、もしこの気持ちに気付かれちゃったらどうしよう。 ほら、私今ものすごく浮かれているし。声の感じとかで気付かれないかな? 流石にまだかがみに告白するまでの勇気はないよ… ああ、私も現金だなぁ。そんなこと考えてても手にちゃっかり子機を持ってるし。 「それじゃあ、さっそくかがみに電話を……」 『電話をしようかな』と言おうとした時、子機からメロディが鳴りはじめた。 ディスプレイの表示は『ヒイラギケ』 ―――――かがみだ! 私は早く気持ちを押し殺して、ゆっくりと通話ボタンを押した。 「やふ~、かがみん!」 ―――――――――――――― 「う~ん、これじゃあすっごく早く着いちゃうなぁ。」 昨日のかがみの電話。それは明日みんなでお花見に行こうというものだった。 もちろん私が断る理由なんて微塵もない。 むしろかがみのその変なアグレッシブさに感謝したいくらいだ。 だってそのおかげで、かがみに合えるんだから。 私の服装はいつもと同じ。お洒落でもしようかななんて思ったけど、いきなり私がおしゃれなんかしたらびっくりするよね。 みゆきさんとかつかさだったら絶対そんなこと言わないだろうけど、かがみなんか絶対からかうよ。 そんなことを考えながら、私は一人待ち合わせ場所へと歩いていく。 そして待ち合わせの場所に近づくとツインテールの人が本を開いて座っているのが見えた。 ―――――かがみだ。四日ぶりのかがみだ。 顔がにやつく。うれしいという気持ちが止め処なく溢れてくる。 たった四日しか経ってないのに、どうしてこうもうれしいのかな? もしかして、これが人を好きになるって言う事なのかな? 「おお、かがみ~。」 ベンチに座って本を読もうとしていたかがみに対して、手を振って近寄った。 「遅刻魔のあんたがどういう風の吹き回し?」 かがみが意外そうな顔をして言ってきた。 うんうん、相変わらずきっついな~。けど今はそんな言葉すらうれしいよ。 「失礼だな、かがみは。私だって早く来ることぐらいあるよ。」 私はそう言ってかがみの横に腰を下ろした。 何時もより、ほんのちょっと近い距離。これくらいなら、分からないよね。 そんな言い訳をしつつかがみを見つめると、なんだか見慣れない本を持っていることに気が付いた。 遠くにいた時はラノベかなんかだと思っていたんだけど、どうやら違うみたい。 なんだかタイトルに大学って文字が書いてあるし。 「かがみ、なにそれ?」 「ああ、赤本よ。志望校は決まってないから、有名な奴を適当に選んだんだけど。」 えっ……志望校? かがみ、大学の事なんか考えてるの? 一瞬、目の前が暗くなった。さっきまでの浮かれた気持ちが消し飛ぶ。 「赤本ってなに?」 そんな気持ちのまま、恐る恐る、私は聞いた。 「ん~そうね、簡単に言うと大学専用問題集って感じかしら?」 かがみに置いてかれた気がした。 志望校?大学受験? 確かにみんなと一緒にいるときにも、その話題があがったことはあった。 でもそれはなんだか遠い話で、私には関係のない話なんだと、心のどこかで思ってた。 だって、みんなといるときはとても楽しくて…ずっとこのままでいられたらなぁなんて思ってたから。 そんな風に考えてたのって、私だけだったのかな? 気が付かないうちにみんな遠くに行っちゃって、私だけ置いてけぼりなのかな? 「ふ~ん。かがみはもうそんなのやってるんだ。」 動揺がしてるのがばれない様に、必死にいつもの口調、いつもの声色で言う。 なんだか隣にいるかがみとの距離が遠い。もう少し近くに座りなおす。 「……ちょっと買ってみただけよ。」 ちょっと買ってみただけ? 普通のちょっとの気持ちで大学の問題集なんか買わないよね。 「でもやってみるんでしょ?問題。」 「うん、もったいないし。」 ほら、やっぱり。 かがみは私達より……ううん、私より先に行こうとしている。自分の道を進もうとしてる。 「ねえ、かがみ。」 もう少しかがみの近くに座りなおす。私の腕とかがみの腕が互いにくっつく。 それでもまだかがみと私の距離は遠くに感じた。 どうしてこんなにもかがみとの距離を感じるのかな? みゆきさんやつかさだったらどうなんだろう……きっとこんな風には感じないんだろうな。 ああ、やっぱりかがみだから。かがみだから、かがみのことが好きだから、きっとこんな風に感じるんだ。 人を好きになると、距離にまで敏感になるのかな?よく分からないよ。 よく分からないけど…… 遠い……遠いよ……かがみ…… 「なによ。」 「おいてかないでね。」 かがみの顔を覗きこみながら、私は言った。 みゆきさんがどんどん先に進むのはいい。みゆきさんなら私も笑って応援するよ。 つかさでも……ちょっと釈然としないけど、まあいいや。 でも、かがみだけは…… かがみだけは隣にいて欲しい。かがみだけは私と同じペースで歩いて欲しい。 先にいっちゃ嫌だ。お願いだから、置いてかないでよ、先に行かないでよ… 「何心配してるか知らないけど、私がこなたをおいていくわけないでしょ。」 真っ直ぐに、いつも通りの口調で…だけど優しい顔と優しい声で、かがみは言ってくれた。 「うん、そうだね。」 ああ、ライブのときと同じだよ。私はきっと、こんなかがみに惹かれたんだ。 かがみのこんな何気ない言葉に、私はきっと気付かないうちに救われてきたんだ。 「こなた…」 かがみが私の名前を呼んだ。名前を呼ばれただけなのに、鼓動が少し早くなった。 「私、あんたのことが……」 私のことが何なの、かがみ? さっきの優しい顔から一転、今度のかがみの顔はすごく真剣で、私は視線を逸らす事が出来なかった。 かがみが何か言わないと、そのまま時が止まってしまいそうだ。 そんな風に思ったその時…… 「あら、泉さんとかがみさん。お早いですね。」 聞いたことのあるふんわりとした声が聞こえた。 みゆきさんだ。 「やふ~、みゆきさん!2年ぶりくらい?!」 勢いよく立ち上がると、みゆきさんのところへ向かった。 だって、もしあのままかがみの隣にいたら、この気持ちがばれてしまいそうだったから。 でも…かがみ一体何を言おうと思ったんだろう? もしかして、私に告白とか?! そうだったら本当にうれしいけど、それは絶対にありえないよね。 私がどんなにこの恋に肯定的でも、かがみはごく普通の人なんだから。 みゆきさんにも、かがみにも見えないように下を向いて苦笑する。 そしてそっとかがみに触れていた片腕をさすった。 なんだか、まだかがみに触れているみたいで暖かった。 ―――――――――――――― 自分の部屋に入って上着をハンガーにかけると、私はパソコンの電源を入れた。 ハードディスクが回転する音がして、パソコンが立ち上がる。 いつもだったらパソコンの前に座るけど、今回はベットの方へ。 そしてそのままベットの方に倒れこむ。 「今日は楽しかったな。」 楽しかった。ちょっと前まで悶々とした気持ちが続いていたから、久しぶりかもしれない。 みゆきさんやつかさ、それに…かがみと会って、露天を冷やかして、他愛のない話をして…… たったそれだけ。いつもと同じことなのに、どうしてこんなにも楽しかったのかな? やっぱりかがみと一緒だったからかな?好きな人とは一緒にいるだけでも楽しいものなのかな? ん~、よく分かんないけど、まっ、いっか。楽しかったのは本当だし。 「……だけど、楽しい事ばっかりじゃなかったな。」 二人でみゆきさんとつかさを待っていたときの事を思い出す。 志望校、志望学科に大学受験。 私にとってこの言葉は、まだまだ遠い遠いものだと思っていた。 だけど、少なくともかがみはこの言葉の意味ををしっかりと受け止めてた。 受け止めて、さらに先に行こうとしていた。 赤本について説明してくれたかがみ。 あの時のかがみは本当に遠くにいるみたいで、私がどんなに努力しても手も届かないように感じた。 「好きな人って、過大評価したくなるのかな?」 いや、まったく。ちょっと前だったら、絶対そんなこと思わなかったのにさ。 そう思うと、思わず苦笑してしまう。 でも思ってしまったものは仕方がないよね。だって、今と昔は違うんだから。 「よし!」 決めた。かがみに置いていかれないように、私もちゃんと頑張ろう。 先のことを考えるなんて私には似合わないけれど、きっとそれは必要な事なんだよ。 かがみが真っ直ぐな直線だとしたら、私はクネクネ曲がる曲線だけど、曲線は曲線なりに直線についていくからね。 かがみは私のことをおいていかないって言ってくれたけど、大丈夫だよ。ちゃんと私もついていくから。 「それにしても…私がいったこと、かがみにちゃんと伝わったのかな?」 かがみが好きだって事がバレると困るから伝わっちゃ駄目だけど、伝わってたらうれしいな。 きっと、全然わかってなくて適当に言ったんだと思うけどね。 でもいいんだ。適当でもうれしかったから。 「でも、頑張るって何を頑張ればいいのかな?」 やっぱり無難なところで勉強とかかな?それとも先に志望学科や志望校を決めるとか? とりあえず、ネットで受験とか大学とか調べてみようかな。 そんなことを考えていたら、ノックの音が聞こえてきた。誰だろう? 「こなた、ちょっといいか?」 お父さんの声がドア越しに聞こえた。お父さんが私の部屋まで来るのなんて珍しいよ。どうしたんだろう? 「ほーい。ちょっと待ってよ。」 ベットから飛び降りる。そしてそのままドアを開けた。 「どうしたの、お父さん?」 「いや、ちょっと大事な話があってな。中、入っていいか?」 「―――?まあ、いいけど。」 私がそういうと、お父さんは徐に部屋に入ってきた。 そして、テーブルの前にゆっくりと座った。それにつられて、私もお父さんの前に座る。 「あ~、こなた。驚かないで聞いて欲しいんだけどな。」 「お父さん。それって驚いてくれっていうフラグだよ。」 「ん?あ…ああ、そうだな。」 お父さんは照るように笑うと、顔を人差し指でかいた。 「それじゃあ、言うぞ。実はな……」 こなかが1/2 1-B話 後編へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-07-14 01 31 13) 投票ボタン(web拍手の感覚でご利用ください)
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/828.html
初めてのデート【午後Ⅰ】 こなたが泣いた。 あの、こなたが…。 今こなたは私の前にはいない。 どこに言ったの…? 私は走ってあいつを探す。と言っても、だいたい場所なら検討はつく。 …すぐ行くよ、こなた。 女子トイレに入ったら…やっぱり、いた。 入り口に背を向けて立ちながら、両手で涙を目から拭っていた。 肩が、震えている。 こなた…!! すぐに、抱きしめた。後ろから、ギュッと。 「っ!…グスン、か、かがみ……」 「こなた…。泣かないでよ…。別に怒ってなんかないのよ…?」 「でも、わ、私…、」 「いいから。…ね?」 「…グスン…グス…」 抱きしめてて、わかった。 今日という日を、特別の日にしたかったんだね。 初めてのデートだから、今日を最高にしたかったんだね。 だからそんなに涙が流れたんだよね? 「私は別にこなたが間違えようがなかろうが、今日は最高の1日なんだよ?」 「…ほ、ほんとに?」 「ほんともなにも…あんたとデートしてるだけでもう特別なんだから」 こなたがこっちを向いて、私の胸に顔をうずめた。 「かがみ…ごめんね…」 私は愛しくなって頭を撫でた。 私がこんなに大切に思える人なんて、他に一生現れないんじゃないかな。 しばらく、時は私たちを流れた。 こなたは静かに言った。 「かがみ…」 「…なぁに?」 「結構、胸あるんだね…」 「…!な、何言ってるのよ」 またも予想外な発言。 顔を上げたこなたは、ニマニマしていた。いつのまにか、いつも通りのこなたになっていたみたいだ。 「せっかくのいい雰囲気なのに…セクハラ発言はやめないか?」 「別にセクハラしてるわけじゃないよ?ただそうゆうとかがみが照れて可愛いんだもん」 「あんたってやつは…もう」 全く。滅多に泣かないやつだから一大事だと思えば、すぐにいつものペースだ。 ま、落ち着いてくれてよかったけど。 「あんたが泣くなんて意外だったわよ」 「か、かがみん…言わないでほしいかな、それは…」 意外にも、こなたが恥ずかしがっていた。 か、可愛い…。 滅多に見れないこなたに今日は2つも遭遇した。泣くこなた、恥じらうこなた。 また、知らないこなたに会えた。 付き合い出してわかることって、こうゆうこと。 恋人じゃなきゃ、わからなかったこと。 お互いに好きだから。 大切だから。 だから、新しいこなたに出会える。 こなたも新しい私に出会っているのかな? だとしたら、どんな私なのかな…? 「ねぇ、かがみ…つかさやみゆきさん、みさきちとかに、私が泣いたこと言わないでね?」 なんと、こなたがこんなことを言うなんて。 いつもと立場が逆転している気がした。 ついからかいたくなっちゃった。 少しくらいなら、いいよね…? 「どうしよっかなぁ~?珍しいからなぁ…」 無論他言する気はない。ただ、からかってみただけ。 「ひ、酷いよかがみ…」 …なんかいたたまれなくなってきた。 こなた、ごめんね。 やっぱり私にはからかうなんて向いてないのかな。 「冗談よ。言わないから安心してよ」 するとこなたは。 「…信じてるからね」 と、言った。 こなたは私を“信じてる”。 そう思うと、心がまたギュッと、なる。 信頼されてるんだ、私…。 どうしても、ある言葉を言いたくなった。 今朝、こなたに言われた言葉。 今朝のあんたを真似して言わさせて…こなた。 耳元で、つぶやく。 「…だいすき、だよ」 恥ずかしかった。顔が紅くなるのが、わかった。 でも、本当のことだから。 これが今の、私の全てなんだよ。 話し合いの結果、映画はやめて買い物とゲーセンに行くことになった。 私の間違いを許してくれた、かがみ。 …ありがとう。 でも照れくさくて言わない。 言いたかったけど、言えない。 もどかしかった。 さっき、気づいたことがある。 それは…私はかがみの言う、“いい雰囲気”が苦手なんだってこと。 なんか恥ずかしくって。 私らしくいられなくなりそうだった。 恥じらう私なんて、想像したくもないよ。 だからつい、話を変えたくなっちゃうんだ。 いい雰囲気は嫌いじゃない。でも、苦手なんだよ。 かがみはわかってくれるかな…? 今は映画館を出て、駅ビルに向かってる。 駅ビルはゲーセンもあって買い物もできるから、そこに行こうって一緒に決めたんだ。 「さっきすぐ追いかけてきたよね、かがみ」 許してくれて、ありがとうって言いたかったから。 近い話題をもちかけてみた。 でもそれに近い話題って、いい雰囲気なわけで。 「あんたの恋人だから…だよ?」 …しまった。こそばゆい空気に変わる。 なんか、恥ずかしいよ…。 「軽くツンデレ気味なかがみ、萌えるね~」 冗談で返してしまった。 「はいはい。もう、あんたは…。せっかくのムードってもんを」 …ごめん、かがみ。 かがみはいい雰囲気を作ろうと頑張ってるんだよね…。 それなのに、私は。 つい冗談で返す自分がいた。 ただ、恥ずかしいというだけで。 ――――かがみの気持ちを無視、していた。 どうしようもなく、申し訳なくなる…。 ごめんね、かがみ。ほんとに、ごめん。 私、決めた。 次にそういう雰囲気になったら、私逃げない。 逃げないよ、かがみ。 かがみととびっきりに甘い時間を過ごせるようにする。 私はかがみの、恋人だから。 かがみがすごく、好きだから。 それに、恥ずかしいだけで私だっていい雰囲気に囲まれたいし、ね。 駅ビルに着いた。 なんか移動ばっかり。 でも、それももうおしまい。 移動の間、結局お礼が言えなかった。 ヘタレな自分に腹が立っちゃった。 帰るまでに、頑張って言わなくちゃ。 買い物が先になった。 ゲームセンター先行くといくら使うかわからないしね。 さて何を買うのかというと… 私は、今日ペアなものを買う気でいる。アクセサリーとか。 今日の証と、2人の証を、みにつけていたいんだ。 離れていても、かがみがいる。いてくれる。 そんな気になる、何かが欲しいんだ…。 「あそこ入ってみようよ」 私が指さした店はよくあるアクセショップ。 「いいわよ」 何買うのかしら、とでも言いたそうなかがみ。 わからないのかねぇ。恋人とこうゆう店に入れば、だいたい決まってるでしょぉ。 中にはいると、人が多少いた。カップルも数組みいた。 端から見ると友達同士なんだろうな、きっと。 私はペアのアクセサリーを探す…あ、みっけ。 遠くから見つけたそれは、なぜか目に留まって。一目で気に入った。 「かがみ、こっちこっち」 「なになに?なんかみっけたの?」 手を引いて誘導。 「見てよこれ…かわいくない?」 「これって…」 顔が紅くなるかがみ。 「ペアのネックレス…♪」 大きさが一回りだけ違う、2つのシルバーで同じデザインのヘッドのついたネックレス。 「ねぇ、かがみん…こうゆうの、買わない…?」 イヤじゃないかな…? なんかこうゆうのって、相手を束縛するものでもあるし…。 「…いいわね!買おうよ」 やったー!かがみも欲しくなってくれた。今日の証を。2人の証を。 「いくらだろ?」 「…!こ、こなた…」 見て、驚愕。 「…50000円…」 …買えるわけない。 今日のデート代、全部で25000円。頑張って貯めたんだけど、ちょっと無理。 「他のにしよっか…」 「そ、そうだね…」 再び探す。さっきのが気に入ってたから、なかなかいいのが見つからないなぁ。 「こなた、これなんてどう?」 かがみが見つけたのを見たら… 「わぁ…かわいい…」 割れたシルバーなハート。 あわせると、一円玉くらいの大きさになる。 それぞれかけたハートから、ネックレスのチェーンがついていた。 「値段みたけど、普通だし」 見たら、3000円。さっきの見たから、すごく安く見える。 「いいね、これ!こんなの見つけるなんて…流石は私のお嫁さんだね☆」 「お、お嫁さんゆーな。…これにする?」 照れるかがみに、私は告げた。 「うん!」 生まれて初めての、ペアのアクセサリー。 つかさとお揃いなんてのは多少はあるけど、恋人と一緒なものは初めて。 なんか、すごくドキドキしちゃった。 建物の中を見て回る。 服屋に行ったり、化粧品みたり。本屋さん行ったり、いろいろ回った。 歩いていると甘い香りで鼻腔をくすぐられた…もとをたどればアイス屋さんだった。 「こなた、アイス食べない?」 こなたは笑顔で言った。 「いいね~、食べよ食べよぉ」 2人で同じバニラアイスを注文。 店のテーブルにさっき買ったものが入った袋をのせ、椅子にかけながら甘い小山に舌を伸ばす。 美味しいなぁ。やっぱ私はお菓子が大好き。ついついたくさん食べちゃう。 いつもは太るとか気にするけど、今は全然気にならなかった。 「幸せそうだね~、かがみん」 ふいに言われた。そんなに幸せそうな顔してたかな…? 「そ、そう?」 「うん。私もアイスには勝てなそうだね」 「競うなって」 まぁアイスは大好きだけど。 「じゃあさ、かがみは私とアイスどっちが好き?」 な、何聞いてるんだ。悩むわけ、ないじゃない…。 でも答えるの、なんか恥ずかしいなぁ。 言えば言うでからかわれそう。言わなきゃ言わないで恋人失格な気がする。 「こ、こなたに決まってるじゃない」 「なんでどもるのさ…ま、私はかがみの食欲にはかなわなそうだね」 「人を食いしん坊みたいにゆーな!」 「え~?違ったっけ?」 「む、むかつく…!」 こいつってやつは。 確かに食べることは好きだけど、四六時中そればっかり考えてないわよ。 いつも通りの会話だった。 学校のとき、遊んでるとき、お昼食べてるとき、登下校のとき。 それなのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう…。 今日という特別な日が、私に魔法をかけてるのかな…。 なんて、つかさじゃあるまいし夢見る乙女な考えは自重。 「言ってて思ったんだが…なんかバカップルみたいじゃない?私たち」 「そうなんだからいーじゃん」 「よくないわよ!バカップルはイヤだからね」 「じゃあどんなカップルがいいのさ?」 「…か、賢いカップル?」 「かがみん、馬鹿っぽいよ」 「う、うるさい!」 やっぱり私たちはバカップルらしい。 初めてのデート【午後Ⅱ】へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-25 07 53 05)
https://w.atwiki.jp/oyatu1/pages/48.html
雨が冷たい。肌がヒリヒリする。指がかじかむ。私の中に温かさはない。 私の胸にポッカリ空いた空虚に吸い込まれるように、春雨が降り注ぐ。 私を責め立てるように。 こなたの温度をかき消すように。 私がこなたに出会ってから3年。私達は陵桜学園を卒業した。 「早かったね。高校三年間。お姉ちゃんやこなちゃん、ゆきちゃんと居たからかな?」 「そう考えるととても感慨深いですね。」 「つかさやみゆきさんはロマンチストだねー。ま、かがみはどうか分からないけど。」 「うるさいわね。私だって少しぐらい感傷に浸るわよ。」 少しぐらいじゃなかった。たくさん、たくさん、胸にくるものがあった。 思い出が多過ぎて、私に刻みきれないくらい、たくさんの幸せがあった。 それはもちろん日下部達ともそうだけど、やっぱり。 「私、皆と同じクラスにはなれなかったけど、楽しかった。 胸を張って大人になったって言える。皆ありがと。」 「お姉ちゃん・・私も凄く楽しかったよ。専門学校に行っても、おばーちゃんになっても忘れないよ。」 「私もです。泉さんやかがみさん、つかささんとの思い出、大事にします。」 「忘れない・・私は皆がくれた萌えを決して忘れない!」 「はいはい、こなたらしいわね。」 「最後ぐらいもっとデレていいんだよ?かがみ。」 「う、うるさいわね!」 4人で笑い合った、高校最後の帰り道。ずっと続くと思ってた。 皆それぞれの道を歩み初めて、少しずつ変わるだろうけど、 つかさがいて、みゆきがいて、そしてこなたがいる。 ずっとずっと一緒に笑い合える。そう、信じてた。 『で、かがみは一人暮らしにするの?』 ほぼ毎日していたこなたとの電話。卒業した日の夜もこなたの声を受話器越しに聞いていた。 「まーね。家からだとちょっと不便だし。」 『寂しくなったら逢いに来ていいんだからね?』 正直寂しくないって言ったら嘘になる。でも私は素直になれなかった。 今なら素直に言えるのに。 失ってから大事なものに気が付くって本当だった。 「さ、寂しくなんてないわよ。・・ちょっとつまんなくなるだけよ。」 『素直になれないかがみは可愛いなぁー。まさにツンデレ。』 「うっさいわねー。」 『ねぇかがみ?』 私は名前を呼ばれるのが好きだった。こなたが発する『かがみ』という単語が好きだった。 柔らかくて、心地よくて。眠くなるように温かい。こなたはそんな風に私の名を呼んでいた。 でも今思い出すと、この時のこなたの声は、泣きだしそうな少女のように、震えていた。 「何よ?たまにはデレてって言われても無理だからね!」 この時の私には、震えたこなたの声に気付けなかった。気付いてあげられなかった。 そしてこんなバカらしい事を口にしていたんだ。 『んーん、何でもない。・・・ねぇ、明日遊びにいかない?』 「いいわよー。どうせ暇だし。」 今でも腹が立つ。のんきに返事をした自分に、こなたの声の変化に気が付かなかった自分に。 「んーおいし。」 「相変わらずケーキ好きだねーかがみは。太るよ?」 私達はいつも通っていたケーキバイキングに足を運んだ。 こなたとの思い出もここにはたくさんあった。 「いーのよたまには!こなたも食べないと損よ?」 「いやー私はもうお腹いっぱいだよ。かがみのその弛んだ顔を見れただけで。」 「な、何言ってんのよ!?」 「照れるかがみも萌えるなー。」 「あんた結局三年間変わらなかったわね。まぁそれがいいんだけどね。」 そこがこなたのいいトコだと思った。無邪気な笑顔でアニメやゲームの話をしてくる。 そういうトコが好きだった。 「さ、次はどこ行きますか、かがみ様?」 「そーねー・・こなたはどこ行きたい?」 「じゃとりあえずブラブラしない?大学に入ったら逢える時間もへっちゃうからね。 いまのうちに思い出作り。」 「ブラブラのどこが思いで作りだよ。」 「まぁいいじゃん、行きましょーかがみ様。」 「様をつけるな!」 ごめんね、こなた。 こなたがブラブラするのが思い出作りだって意味が分かったのはついさっき。 こうやって、私はこなたを傷つけていたのかな? 今とても悔やんでる。ずっとこなたの近くにいたのに。三年間もいたのに。 大事な人なのに。 「・・・でね、あっ、雨?」 「雨、だね。」 「どっかで雨宿りしよう?こなたんちも私の家もあんま近くないから。」 「だね、じゃあの公園の広場まで競争!」 「あ、まてこら!!」 久しぶりに全力で走った。受験勉強でカラダが鈍っているはずなのに、体が軽かった。 横には私に気を遣いながら走るこなた。だから、爽快な気分だったのかもしれない。 「はぁっ・・・はぁっ・・あーっ冷たい。結構濡れちゃった。」 「かがみ大丈夫?」 「うん、でも少し寒いかな。」 「じゃーこうしよー!」 春雨で濡れた背中に温かいぬくもりを感じたのを覚えている。いつも感じていた確かな温度。 「どう?背中合わせ。結構萌えない?」 「質問違うだろ。普通温かい?とか聞くだろ?」 「あーあったかい。」 「無視かい。でも何もしないよりはマシね。」 春雨は少しずつ雨脚を強くして街を濡らしていく。 雨の音の他に2つの鼓動が私の耳に響きわたる。私とこなたの間にはちょっとした沈黙が流れる。 「かがみ。」 「んー?」 沈黙を破るこなた。 こなたがどんな顔をしているか私には見えなかった。 そして、雨の音をかき消す、か弱い声が私に届いた。 「好き。」 2つの鼓動が一瞬止まったように、感じた。 雨の音が聞こえなくなった。たった2つの言葉を並べた単語によって。 「・・・え?」 「好き。私、かがみが好き。ずっと、かがみの傍にいたい。」 この時の事はよく覚えていない。ただ好きという単語の意味を考えていた。 「気が付いたら、いつも傍にかがみがいて、私を助けてくれていた。」 「・・・」 「かがみを見ていると胸が苦しいんだ。あー、これが恋なんだって思った。」 「こなた・・・」 「最後まで聞いて!女の子同士なんておかしいよね?私も何度も思った。 でも、理屈じゃないんだ。かがみが好き。上手く伝えられないけど・・・ もっともっと、伝えたいことあるのに、言葉がでないんだ・・・」 こなたが私を・・・好き? 私は?こなたをどう思っているの? 親友?好きな人? そんな事が頭をぐるぐる回っていた。それで、何も話せなかった。 「・・・」 「かがみは、私のこと、キライ?」 分からない。分からない。分からない。分からない。私がこなたに抱いている好きと、こなたが私に抱いている好き。 ずっと親友だと思ってた。 ずっと笑いあえる大切な人だと思っていた。 錯乱していた私は、一番残酷な答えを、こなたに出した。 「ぐすっ・・ひっぐ・・ぐすっ・」 「か、かがみ・・・ごめん・・・」 いつの間にか、泣いていた。目から涙が、止まらなかった。こうやって私は悲劇のヒロインを演じた。 最低だ。私はこなたから逃げたんだ。泣く、という最低な方法で。 「泣かせてごめん。いつも迷惑かけちゃうね。なんでだろうね・・・」 違う、違う。 そう叫びたかった。それなのに、口から出るのは醜い嗚咽だけ。 「かがみ・・・返事はいらない。かがみは優しいから私のこと、傷つけないようにしてくれてるんだよね。ごめん・・・」 背中からぬくもりが消え、代わりに小さな腕が私を包んだ。 包んだこなたの腕は優しく、私を抱き締めた。 「かがみ、今までありがと・・・大好きだよ。私は貴女の傍にいれて幸せだった。」 もう、涙腺が壊れた。 春雨なんじゃないかってぐらい、大粒の雫石が頬を伝った。 「こ・・なた・・・ぐずっ・・・」 「大切な気持ちをくれて、ありがとう。忘れない、忘れ・・ない・よ・・・」 こなたも、きっと泣いていた。優しく抱き締めた腕が哀しく震えていた。 私を抱き締めていた腕が、私から離れていった。 振り向いた時には、もうこなたは広場から離れ、春雨に打たれていた。 「こなっ・・・た!」 嗚咽で上手く叫べなかった。こなたの名を叫べなかった。 「かがみ。幸せに、なってね。」 春雨で濡れた笑顔、哀しい笑顔は、私の脳裏にするどく、刻まれた。3年間の思い出よりも深く。 「さよなら。」 そう、こなたが言うと、こなたは雨の中に消えていった。雨に濡れた、世界に。 どうして引き止められなかったのだろう? どうして答えを出せなかったのだろう? どうして、傷つけてしまうだろう? どうして・・・分からないんだろう? 今も止まない、春雨。風邪を引いたって構わない。 私は、何度自問しても答えが出ない問いを、麻痺した脳に与えている。 自分を責めるように。 遅すぎる後悔と共に。 こなたの哀しい笑顔と共に。 新しい季節、こなたに出会って13回目の季節、4回目の春はもう始まっていた。 哀詞へ続く コメントフォーム 名前 コメント (´;Д;`)b -- 名無しさん (2023-01-02 21 58 36) 最初だからかな? あまり盛り上がらないんだね -- 名無しさん (2013-11-18 18 03 13)
https://w.atwiki.jp/kairakunoza/pages/1662.html
作品数の多いこなた&ゆたかの非エロものを掲載したページです。 カップリング保管庫から独立しました。 月の綺麗な夜に(◆PlNKZcRIiA) 嵐の夜に こなゆた(7-478) こな☆フェチ 番外編 ~こなたお姉ちゃんは私のもの編~(7-896) 誰にも聞こえない声(10-249) 続く坂道(〃)(↑の続き) 私のすべて(〃)(〃) そして歯車は動き出す(〃)(6年前~私のすべての翌日) 回避方法(〃)(2つ↑の続き) 心のプランター(〃)(↑の続き) 曖昧境界線 前編(〃)(〃) 曖昧境界線 後編(〃)(〃) そして歯車は狂い出す(〃)(〃) 狂った歯車は壊れゆく(〃)(〃) 歯車は再び回る(〃)(〃)(完結) 入れ替え従姉妹(入れ替わり姉妹の続き)(14-319) 入れ替え従姉妹その2(↑の続き)(〃) はつこい(18-306) 危険な関係(23-351) 危険な関係 第2話(〃) 危険な関係 第3話(〃)※第4話はエロに記載 危険な関係 第5話(〃) 危険な関係 第6話(〃) 危険な関係 第7話(〃)※第8話、第9話、第10話はエロに記載 危険な関係 第11話(〃)※最終話 Elope(23-251) Elope 第2話(23-251)(↑の続き) Elope 第3話(〃) Elope 第4話(〃) Elope 第5話(〃) Elope 第6話(〃) Elope 第7話(〃) Elope 第8話(〃)※最終話 Escape 第1話(〃)(Elopeの続編) Escape 第2話(〃)※第3話はエロに記載 Escape 第4話(〃)※第5話はエロに記載 Escape 第6話(〃) Escape 第7話(〃) Escape 第8話(〃) Escape 第9話(〃)※第10話(最終話)はエロに記載 Affair 第1話(〃)(Escapeの続編) Affair 第2話(〃) Affair 第3話(〃) Affair 第4話(〃) Affair 第5話(〃)※第6話はエロに記載 Affair 第7話(〃)※第8話はエロに記載 Affair 第9話(〃)※最終話 朝焼けの女神(〃) おくすりの時間(3-283) 誕生日の日に咲いた花(7-896) snow drop(30-178) snow drop 2(〃) snow drop 3(〃) 夜のひととき(23-251) 明日へ(〃)(※Elopeの続き) お風呂あがりに(〃)(〃) Inter lude(〃)(〃) 天使のような(〃)(〃) ガラスの壁 第3話(〃) ガラスの壁 第4話(〃) ガラスの壁 第5話(〃) ガラスの壁 第6話(〃) ガラスの壁 第7話(〃) ガラスの壁 第9話(〃) ガラスの壁 第10話(〃)(最終話)(※1話・2話・8話はエロありに記載) ふたりでお風呂・こなたとゆたか(9-727) 風邪の特効薬?(LD) 相手はだぁれ?(〃)(↑の続き) 夏の夜の約束(〃)(↑の続き) プレゼントにはリボンをかけて(〃)(↑の続き)(ゆたか誕生日) 聖戦へのカウントダウン(〃)(↑の続き)(ゆたか、つかさ、かがみ。こなた登場せず) 少女達の聖戦(〃)(↑の続き)(バレンタインデー) 2人の誓い(〃)(↑の続き)(卒業式前夜)(小早川夫妻登場) いつまでも、誰よりも(〃)(↑の続き)(卒業)(+てぃーちゃ~ず、そうじろう、ゆい) Happy Sweet Birthday!(〃)(↑の続き)(こなた誕生日) Lover s Dream(〃)(↑の続き) Happy dream comes true(〃)(↑の続き)(+そうじろう、かなた) 貴女色に染め上げて(〃)(↑の続き)(ゆたか誕生日) 破局の足音(23-251) Beach confess(〃) 穏やかな夜(〃) 鳴り響く雷鳴(18-490) Happy Birthday Yutaka!(59-10) 爆走娘(tom)